財産分与として半分以上もらえるときってあるの?~扶養的財産分与|静岡市の弁護士 花みずき法律事務所

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離婚問題の基礎知識

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財産分与として半分以上もらえるときってあるの?~扶養的財産分与

財産分与は夫婦の共有財産を半分ずつ分けると聞きましたが、将来の生活に大きな不安があるときでも半分しかもらえないのでしょうか?

弁護士からのアドバイス

財産分与で扶養が考慮されるケース

財産分与についてお互いの話し合いで合意できない場合には、裁判で決めることになります。

そのとき、裁判所が考慮する事情として民法では「当事者双方がその協力によって得た財産の額その他一切の事情」を考慮すると定めています。

この「一切の事情」には、各当事者の年齢、心身の状況、職業、収入、就労可能性、病気、高齢の程度など様々な事情が含まれます。

そうすると、夫婦の一方、例えば

① 妻が病気になって働くことが難しい

② 未成熟の子を育てていくのに費用がかかるのに収入が少ない場合

③ 高齢で医療費がかかったり、働くのが難しい場合

などが典型でしょう。

調停での話し合いの段階では財産分与を半分以上請求しても、相手が合意しないためまず成立しません。

離婚後の生活に不安があれば、裁判でしっかりと請求していく必要があるでしょう。

 

扶養的な財産分与が認められたケース

先ほどの①~③の扶養的な面を重視して半分以上の財産分与を認めた裁判例をご紹介します。

1 高齢であることを考慮して、夫名義の資産がほとんどない場合に、老後の扶養として一括で1,200万円の支払を認めました(夫に不貞行為など悪質性があるケース)。

2 結婚している最中に、妻が卵巣切除・胃がん・左股関節の手術を受けて、更にC型肝炎になっていました。

離婚時には63才だった妻について、半分ずつの財産分与の他に、扶養的な意味合いから夫の年金と妻の年期員の差額の4割を妻が死亡するまで支払うことを認めました。

3 妻に慢性の病気、膀胱の障害、貧血、子宮筋腫、首の捻挫の後遺症(夫の交通事故によるもの)がありました。

それに加えて離婚後の夫と妻の収入格差を考慮すると、半分ずつの財産の清算の他に扶養的な意味で850万円を支払うべきとしました。

 

このように、離婚後に病気や年齢で生活に不安を抱える妻について認められているケースが多いようです。

財産分与というと、夫婦の財産を半分ずつ分けるものと決めつけがちですが、特別な事情がある場合にはしっかりと主張していくことが大切でしょう。

もっとも、調停ではお互いの気持ちが一致することが難しく合意できないことが多いので、裁判官の意見を聞いて調整したり、最終的には離婚訴訟で決着をつけざるを得ないというのが実務の現状です。

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