離婚調停が成立した後は何をやれば良いの?|静岡市の弁護士 花みずき法律事務所

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離婚問題の基礎知識

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離婚調停が成立した後は何をやれば良いの?

離婚調停で合意しました。裁判所で書類をもらいましたが、この後どうすれば良いのでしょうか?

弁護士からのアドバイス

家庭裁判所で受領する書類

調停で離婚が成立すると、調停調書が作成されます。

もっとも、この調停調書には養育費の額、財産分与でどのような財産を取得したか、など個人のプライバシーに関する記載がたくさんあります。

これをそのまま市町村役場の窓口に出してしまうと(特に小さな市町村ほど)離婚した方の離婚条件が知られてしまうという問題があります。

そこで、裁判所では全てが書いてある調停調書本とは別に、離婚したことと親権者が父母のどちらかになるかの二つしか記載していない離婚届出用の省略謄本を発行をしてくれます。

また、年金分割においては、離婚したことと年金分割に同意したことの2つさえ分かれば年金事務所では手続に困りません。

そのため、先ほどと同じプライバシー保護の観点から、年金分割に必要な事項以外を省略した謄本を発行してもらえます。

結局、調停離婚成立の後に家庭裁判所から受け取る書類は

1 離婚の条件の全てが書かれた調停調書の謄本

2 離婚と子の親権者の指定だけが書かれた離婚届と一緒に市町村役場に提出するための省略謄本

3 離婚と年金分割の定めだけが書かれた年金事務所提出用の省略謄本

の3種類があるということになります。

もし、裁判所の担当の書記官がこれらの発行を忘れていたら、依頼しましょう。必ず発行してもらえます。

 

離婚するための手続

裁判所で離婚に合意して調停調書が作られても、自動的にご自分の戸籍が変わるわけではありません。

ご自分が離婚したことで、配偶者の別の戸籍が作られるのですが、それをしてもらうためには、調停調書を市町村役場に提出しなければなりません。

そのときには、さきほど書いた省略謄本(離婚と親権だけが書かれたもの)を市町村役場に提出していくことになります。

提出するものはそれだけで良いのでしょうか?

それでけではなく、調停離婚のときにも離婚届を出すことになっています。

ただ、協議での離婚と違って、相手配偶者のサインはいりません。

ご自分の書かなければならない欄だけを書いて、「調停離婚」の箇所に〇で囲んでおけばOKです。

提出先がご自分の本籍地の市町村役場の場合には、書類はそれだけで大丈夫です。

ただ、離婚して別居している場合には、本籍地から遠い所で生活していたり、夫の本籍地が遠方だったりすると、そこまで行くのは大変です。

そこで、そのような場合には、本籍地の市町村役場から夫婦の戸籍全部事項証明書を郵送で取り寄せて一緒に提出すれば、全国どこの市町村役場でも離婚届は受け付けてもらえます。

 

名字(氏)の変更について

民法では、夫婦は、結婚の時にどちらかの名字を名乗ることになっています。

将来的な改正の提案はされていますが、現在では夫婦が別々の名字として戸籍に記載されることはありません。

例えば、夫が佐藤さん、妻が鈴木さんの場合、結婚すると、佐藤さんか鈴木さんどちらかの名字に統一しなければならないのです。

では、離婚した場合に名字はどうなるのでしょうか?

離婚するということは、お互い別々の戸籍にすることになりますから、名字も原則として元に戻ります

つまり、妻が結婚によって名字を佐藤さんに変えていた場合には、離婚によって鈴木さんに戻るということです。

もっとも、結婚している期間が長い場合や子供のことを考えると名字を変えたくない場合もあります。

そこで、民法では、離婚の日から3か月以内市町村役場に届出をすることによって、結婚しているときの名字(佐藤さん)を名乗ることができます。

ここで気をつけなければならないのは、結婚しているときの名字(佐藤さん)だとしても、それは夫の佐藤さんとは違う人という扱いになります。

結婚中は、現在の民法では夫婦は同一の姓になるので夫婦だから同じ「佐藤さん」と言えますが、離婚した後は他人同士ですから、「たまたま名字が同じ人」という扱いになります。

ですから、子どもは離婚したときには夫の「佐藤さん」を名乗っていますから、仮に母親の「佐藤さん」にするのであれば、「子の氏の変更許可審判の申立」を家庭裁判書に申し立てる必要があります。

親権者となった母親が申し立てれば、問題なく認められますので、その審判書を市町村役場に提出して、子どもを父親の戸籍から母親の新戸籍に移動する手続をとります。

なお、これらの手続はあくまで戸籍上の手続で住民票の手続は全く別です。

離婚に伴って住所を変更する場合には、別に転出・転入などの手続を住民窓口係に届出をしなければならないことにご注意下さい。

 

離婚後の公的な助成

市町村によってさまざまなひとり親家庭(母指家庭)に対する助成制度を設けています。

市町村によって制度の内容が違ったり、所得制限があったりするので、市町村役場に一度相談に行って担当課で全ての制度について聞いてくるとよいでしょう。

主なものとしては、医療費の助成児童扶養手当の支給などがあります。

いずれも申請をしないと受けられないので、忘れずに相談に行きましょう。

 

年金分割の手続

年金の分割も自動的にされるのではなく、調停調書の省略謄本を年金事務所に提出して初めて認められます。

離婚成立後2年以内という期限がありますので、忘れてしまわないようできるだけ早くお近くの年金事務所で申請しましょう。

提出するのに必要な書類としては、次のものがあります。

1 調停調書謄本(省略謄本)

2 ご本人の年金手帳

3 結婚が続いていた期間を証明できる書類(戸籍全部事項証明書)

4 年金分割の当事者が生存していることを証明する書類(1ヶ月以内のものが必要)

通常は、3と4は「戸籍全部事項証明書」1通で足ります。

もっとも、相手配偶者が死亡している場合には、死亡の事実と死亡日を証明する必要があるので、無くなった方の除籍事項証明書を市町村役場で取得して提出する必要があります。

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