調停成立の後に自分で何かやる必要があるの?|静岡市の弁護士 花みずき法律事務所

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離婚問題の基礎知識

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調停成立の後に自分で何かやる必要があるの?

調停成立後に準備しなければならない書類はどのようなものがありますか?

弁護士からのアドバイス

離婚調停に合意ができて、調停が成立した場合でも、そのままで自動的に離婚が戸籍に記載されるわけではありません。

市町村役場へ届出を出して初めて、離婚が戸籍に記載されるのです。

そこで、まず、家庭裁判所で次の書類を受け取ってくる必要があります。

1 家庭裁判所で受け取ってくる書類

  1. 戸籍に記載すべき事項(離婚と子の親権者の指定)以外の記載を省略した謄本

    送達(そうたつ)されてきた調停調書正本(謄本)では、調停で合意した内容や慰謝料・養育費の金額などが書かれているので、調停調書正本(謄本)とは別に、それらの事項の記載が省略された謄本を裁判所に作成してもらいます。


     
  2. 年金記録に記載すべき事項以外の記載を省略した謄本

    年金分割の定めがある時にもらってきます。

次に、次の書類を市町村役場に提出して、戸籍に離婚の記載をしてもらいます。

 

2 市町村役場に提出する書類

  1. 離婚の届出書(調停離婚用)
    市町村役場でもらって必要事項を記入します。

     
  2. 調停調書謄本(戸籍に記載すべき事項以外の記載を省略した謄本)
    家庭裁判所でもらってきた書類です。

     
  3. 本籍地以外の市町村に提出する場合には、戸籍謄本
     

3 氏について

離婚によって名字を旧姓に戻したい場合と、そのまま使い続けたい場合があると思います。
名字を戻したくない場合には、次のように届出が必要となります。

  1. 氏を戻したくない場合
    「離婚の際に称していた氏を称する届出」を行うことが必要です。
    離婚の日から3ヶ月以内の期限があるので、離婚の届出と一緒に届け出るのが良いと思います。

     
  2. 氏を戻したい場合
    何もしなければ、当然に婚姻前の氏に戻ります。
    もっとも、氏を戻す場合にも、離婚の届出書の中に記載していくのが通例となっています。
    なお、氏を含む印鑑で印鑑登録している方は、印鑑登録が廃止になるので、印鑑登録証(カード)を住民窓口係窓口に返還して、新たに登録する必要あるので注意が必要です。

4 子の戸籍の問題

離婚届だけでは、子の戸籍は従前(じゅうぜん)の戸籍に残されます。
子を離婚後の親権者(母又は父)の新しい戸籍に入籍させるには、家庭裁判所で別途「子の氏を父または母の氏に変更する旨の許可審判」を得た後、その審判書の謄本を添えて、市区町村役場に入籍届を提出する必要があります。

5 住民票について

離婚届出だけでは、住民票上の住所(転居、転入、転出、世帯合併等)は変更されません。
これを変更する場合には、市区町村役場の住民窓口係に届出をする必要があります。

6 年金分割の改定請求をする場合

年金分割をしてもらうためには、調停が成立した後で、以下の書類を年金事務所に提出していく必要があります。

  1. 調停調書謄本(年金記録に記載すべき事項以外の記載を省略した謄本)
     
  2. 当事者の年金手帳
     
  3. 婚姻が継続していた期間を証明できる書類→戸籍謄本
     
  4. 分割改訂をする当事者の生存を証明する書類(1カ月以内に作成されたもの)

死亡後に請求する場合には、死亡の事実と死亡日を証明できる書類が必要になります。例えば、亡くなった方の除籍謄本などです。

7 離婚後の主な公的助成

制度改正や市町村によっては他の制度もあるので、詳しいことは、最寄りの市町村役場に問い合わせてください。

  1. ひとり親家庭(母子家庭)等医療費の助成
    離婚によりひとり親家庭となった場合、医療費の助成制度があります。

    市区町村役場で「ひとり親家庭等医療費受給者証」の発行をしてもらいます。

    ただし、所得制限等の条件もあるので、詳細は市区町村役場へご確認ください。

     
  2. 児童扶養手当
    父と生計を同じくしていない子ども(18歳未満)を養育している母または養育者に支給されます。

    市区町村役場への申請が必要となります。

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