経過措置規定~賃貸借契約に関する特則

民法改正(令和2年4月1日施行)

施行日前に締結した賃貸借契約が、施行日以降に更新された場合に、新法、旧法のいずれを適用するかについて定めています。

 

1 当事者間の合意による更新の場合

更新時が施行日以降であれば新法が適用されます。

契約により「いずれかが異議を述べない限り自動更新される」との条項がある場合も合意による更新と扱って、更新時が施行日以降であれば新法を適用します。

ここではは、「終了させない」という不作為を更新の合意と評価して、新法を的ようしています。

 

2 法律の規定による更新の場合

(1)期間満了後の賃借人の使用継続による推定(民法619条)

新法の適用は当事者の合理的意思を根拠とするため、使用継続を更新の意思と見て、更新時を基準とします。

この点は、雇用契約の場合にも同趣旨の規定が定められています。

 

(2)当事者の意思に基づかない法定更新(借地借家法の法定更新)

借地借家法に定められている法律の規定によって当然に更新される(法定更新)場合には、更新後も引き続き旧法を適用します。


例えば、①更新拒絶の通知がないことから更新された場合、②更新拒絶をしたが正当事由がなく法定更新された場合があります。

なお、労働契約法19条も同趣旨の規定が定められています。

 

3 保証契約について

保証契約の締結時を基準とします。

賃貸借契約が施行後に合意更新されても、保証契約について新たな合意がなければ、保証契約には旧法が適用されます。

 

4 賃貸借契約の存続期間(20年→50年に伸長)

施行日以降に更新がされた場合には、合意更新・法定更新を問わず新法が適用されます。

そのようにしても当事者の予測を害することがないため、新しい改正法を適用するものです。

 

「民法改正R2.4.1」トップへ


カテゴリー: 民法改正(令和2年4月1日施行)内容の整理, 経過措置の規定   パーマリンク

コメントは受け付けていません。