賃貸借契約の一般的な権利義務について

民法改正(令和2年4月1日施行)

賃貸借契約の期間、当事者の権利義務など一般的な規定について改正をしています(なお、原状回復義務については別ページに記載)。

 

1 賃借物返還義務の明確化(601条)

→ 契約終了時の返還義務も契約の要素に入れた。

 

2 短期賃貸借の改正(602条)

→ 未成年者や成年被後見人が短期賃貸借できるとの誤解を与えないように「処分につき行為能力の制限を受けた者」の文言を削除。

→ 期限を越えた賃貸借は、その超えた部分だけ無効となる旨を明文化。

 

3 賃貸借の存続期間の上限伸長(604条)

→ 上限20年を上限50年に改正。現代的ニーズ、永小作権との均衡を考慮。

→ なお、借地借家法で建物所有目的の土地賃貸借、建物賃貸借には上限は設けないこととされている。

 

4 賃貸物の修繕

→ 賃貸人が修繕義務を負うが、賃借人に帰責事由ある場合は義務なし(606条1項但書)。

→ 賃借人が例外的に修理できる場合を規定

① 賃借人からの要修繕の通知があったり、賃貸人がその旨知ったにもかかわらず相当期間内に修繕しないとき

② 急迫の事情があるとき

→ 賃借人が修繕したときんは必要費として償還請求可(608条1項)

 

5 賃料の減額

→ 小作人の保護のための減額請求を明確化(609条)

→ 賃借物の一部滅失による賃料の当然減額の対象を「その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合」まで拡張して明文化。

 

6 賃借物の滅失等による終了

→ 賃借人に帰責事由あるときでも、賃借物の一部が滅失その他の事由により使用及び収益できなくなった場合には解除できる旨、明文化(611条2項)。

→ 賃借物の全部が使用収益できなくなった場合には当然終了する(616条の2)。

 

7 転貸借

→ 転借人の賃貸人に対する直接の義務の範囲を原賃貸借に基づく賃借人の債務の範囲に限定されることを明文化(613条1項)。

→ 賃貸賃と賃借人との合意解除を適法な転借人に対抗不可とする判例を明文化(613条3項)。

 

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