売買した不動産に数量不足があったときに買主が言えること|花みずき法律事務所

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土地・建物のトラブル

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売買した不動産に数量不足があったときに買主が言えること

土地の売買で面積が不足していたのですが、そのような場合に買主は何か言えるのでしょうか?

弁護士からのアドバイス

数量が不足したときの買主の保護は

売買の目的物に数量不足があったときに、買主は売主に何か言えるでしょうか?

例えば、売買契約のときには30坪(約99㎡)あるという土地を買ったところ、後で測量してみたら25坪(82.5㎡)しかなかったような場合です。

改正前の民法(令和2年3月31日までの契約に適用)では、瑕疵担保責任(旧570条)とは別に規定が設けられていました(旧565条)。

しかし、数量の不足も当事者にとっては、契約で約束したことを満たしていないという点では同様です。

そこで、改正法(令和2年4月1日からの契約に適用)では、「目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないもの」と定めて、目的物に瑕疵(欠陥)がある場合も、数量が不足する場合も契約に適合しない場合として同じ規定(改正法法562条~564条)を適用することとしました。

従って、買主は、この規定に基づいて、売主に対して、数量不足の場合には不足する分を追加するよう請求したり、代金減額の請求をしたりすることができます。

 

公簿売買の特約に注意

注意しなければならないのは、不動産の売買では「公簿売買」という方法が多く行われているということです。

これは売買契約書に、「この契約における土地・建物の面積は公簿(登記事項証明書)によることとし、実際の測量による面積が公簿と異なっても双方とも売買代金の変更はしない」という条項を定めることをいいます。

つまり、売買契約のときに法務局で登記事項証明書を取得して、そこに書いてある面積を売主・買主が信じて契約することを約束するということです。

この特約は法律上も有効です。

そのため、仮に購入後に実測したら、土地の面積が多かったり、少なかったりしても代金の増額や減額の請求をお互いにすることができないとうことになります。

測量には数十万円の費用がかかることが多く、売主や買主にとって余分な出費であるため、国や市町村が登録している面積をお互いに信じて売買しようという趣旨です。

そして、登記台帳や固定資産台帳の面積が全て正確なら良いのですが、例えば登録が昭和の頃にされた場合には、測量技術が今ほど正確ではなかったこともあり、今の技術で測ると異なることも珍しくありません。

そのために、契約書に特約を入れて、後々、売主・買主とも余分な紛争に巻き込まれないよう「公簿売買」という方法をとるのです。

もっとも、30坪あるはずの土地が10坪しかなかったというような極端な違いがある場合には、買主に錯誤(勘違い)があるとして契約を取り消すことができる場合があります。

この錯誤の規定(民法95条)についても、民法改正があったため、契約時が令和2年4月1日以降か、それより前かで取り扱いが異なりますので、大きなトラブルになった場合には専門家への相談が必要でしょう。

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