建物や土地の借主の連帯保証人になっても大丈夫なの?
借主の契約書(賃貸借契約書)の連帯保証人の欄に署名してハンコを押してしまいました。借金の連帯保証人と同じような責任を負うのでしょうか?
ところが、その契約書には連帯保証人の責任がどこまであるのか書いてありません。
一体どこまで責任を負うのでしょうか?
弁護士からのアドバイス
借主が貸主に対して、賃貸借関係に関して責任を負う場合には、連帯して責任を負います。
例えば、
①借主が賃料を支払わなかった場合の滞納賃料
②借主が夫婦喧嘩でガラスを割った場合の修理費用
③貸主が契約を解除したのに借主が居座った場合の損害金
④借主が死亡した場合の部屋を片付ける費用
など、賃貸借契約そのものから発生する借主の債務や契約と密接に関係する債務については、連帯保証人も全て責任を負います。
ここで問題になるのが、借主が長期間賃料を滞納していた場合です。
仮に月額6万円の賃料だとしても、時効期間目一杯の5年間滞納していれば、突然360万円+退去時の片付け費用の全額の請求が連帯保証人に来るのです。
連帯保証人がしっかりした人であればあるほど、貸主はトラブルを避けて賃料の滞納を放置してトラブルになるケースがあります。
そこで、民法(令和2年4月1日施行)では、賃貸借契約の保証など、債権の額が決まっていない場合(根保証契約)に個人が保証人となる場合には、その保証額の上限(極度額)を書面または電磁的記録(データ)で定めなければ無効となると規定しました。
例えば、月額の賃料が10万円の賃貸借契約について連帯保証人とするためには、その連帯保証人が保証する上限を「極度額:賃料月額10万円の4ヵ月分」というように、明確に定める必要があることになりました。
そのため、連帯保証人になる方は、ここの上限額をしっかりと把握して、それを支払えるときだけ連帯保証人となってください。
これに対して、不動産業者や貸主の方は、もし連帯保証人にサインしてもらうのであれば、契約書に極度額をしっかりと書いて、重要事項説明のときに説明しておくことが大切でしょう。
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