「銀座のホステス」の休業損害とは?

今日は静岡はとても良い天気です。

 

静岡祭りが行われており、街中は賑わっています。

 

私は事務所の中で仕事なので、あまり関係ありませんが・・・

 

交通事故で、被害者が働けなかった期間があった場合、本来得られる収入が得られません。

 

また、有給休暇をとったとすれば、「給与をもらいながら休める日」を失ったことになります。

 

そこで、被害者が会社を休んだり、自営業をやれなかった期間に対応する収入損を補償するのが休業損害です。

 

実務では省略して「休損(きゅうそん)」と言ったりします。

 

給与をもらって働いている方(給与所得者)の場合は、事故で休んだ期間の収入を計算することになります。

 

どのような手当が入るのか、休業による降格はどうか、などの論点はありますが、いずれも計算ができないというものはありません。

 

ところが、自営業者の場合には、本当の収入を明らかにしにくい場合があります。

 

無免許でタクシー営業をしていたり、税務署への確定申告をしていなかったりする場合などです。

 

つまり、自分の所得を主張すること自体、違法行為を主張することになるケースです。

 

被害者が、「休業していなければ月100万円の売り上げがあった」と主張することは、

 

① 無免許での営業を一生懸命頑張っていたこと

 どれだけ多額の脱税をしていたのか

 

を主張することにつながります。

 

このようなケースでも休業損害は認められるのでしょうか。

 

過去の裁判では、売り上げが客観的に認められる場合には、その業界の通常の経費を控除した額を収入と認めたものもあります。

 

逆に、確定申告をしていない以上、雇い主の休業損害証明書では、証明不十分だとして、賃金センサスによるべきだとしたものもあります。

 

賃金センサスとは、性別・年齢・学歴などに応じて、収入の額を私たち国民からアンケートをとって、平均的な収入を算出した統計結果です。

 

賃金センサスによった場合、高収入の自営業者の場合、本当の休業損害よりもだいぶ低くなってしまい、争点となることが多いようです。

 

確定申告をしない以上、銀行預金の入出金など、客観的な資料がないと通常より高い収入を認めてもらうのは難しいでしょう。

 

この争点で、銀座のホステス交通事故被害者になったケースについての裁判例をショートストーリーの形にしてみました。→「綺麗なうそ」

 

やはり、確定申告はしておいた方が良いということでしょうね。

 

交通事故の民事事件の基礎知識についてはこちらをご参照ください。

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カテゴリー: 交通事故のお話

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