遺産分割の話し合いは誰とする?

この3月一杯をもって、弁護士会の副会長の任務も終わり、一段落です。

 

弁護士になって初めて、数十年前のサラリーマン時代の異動の感覚を思い出しています。

 

さて、今回は遺産分割の始まりのときに注意すべきことをお話します。

 

遺産分割は亡くなった方の遺産について、話し合いで分ける手続です。

 

ですから、遺産分割の当事者各相続人となります。

 

当たり前のようですが、時々、その相続人が不明なことがあります。

 

よくあるのは、高齢の兄弟姉妹の間で相続が起きた場合です。

 

兄弟姉妹だけならお互いに存在を知っていそうですが、相続人が高齢の場合、亡くなられた方は戦前、昭和初期の生まれということも珍しくありません。

 

その頃は、今よりも社会が大ざっぱで、戸籍もいいかげん・・・というか、記載ミスがあったりします。

 

そして、「戸籍をさかのぼると異母兄弟姉妹がいた!」ということも時折あるのです。

 

例えば、父親が結婚しないである女性との間に子どもを設け(今でいう不倫ですね)、認知はしたけれど、妻や子には言わなかったというケースです。

 

これをしっかり調べないで遺産分割協議書を作ってしまうと、後で相続人全員の合意がないとして無効となりかねません。

 

弁護士は遺産分割事件をお引き受けした場合には、そのようなことがないように職務上請求という形で戸籍を調べることができます。

 

そして、相続人全員に連絡を取って、話し合いができるか打診することになります。

 

ときどき「いきなり弁護士から連絡があって、相続でお金が入った!」などという話を聞きます。

 

これは先ほどの異母兄弟姉妹の立場からは、そのように受け止められるということになります。

 

遺産分割の話ををする前に、立ち止まって、本当に相続人はこれで間違い無いかと確認することも大切ということですね。

 

相続の一般的なご説明についてはこちらをご参照ください。

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カテゴリー: 相続のお話

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