夫の「まだ愛してる」は本当の気持ち? ~ 妻の戦略

昼間の日差しは相変わらず厳しいものの、夜になると涼しさを感じられるようになってきましたね。

 

最近多いご相談は、離婚、②相続、③自己破産民事再生、④企業のトラブルに関する交渉・訴訟、⑤交通事故の順番でご相談が多い感じです。

 

この順番は年によっても変わりますので、結局は色々な事件をやっていることにはなります。

 

企業のトラブルや交通事故は、おつきあいのある会社などから、ご紹介されるので、実際に、世間一般で多いトラブルは①~③の順番なんでしょうね。

 

さて、その筆頭にある離婚ですが、日本でも、「離婚した」と言っても、そんなに驚かれることは無い世の中になってはいるようです。

 

確かに、夫婦といえども、元々は他人同士ですから、お互いに一緒に暮らすことがつらくなったら、離婚後の生活設計さえ立てば、別れた方が良いこともあります。

 

さて、妻が夫に愛想をつかして別れたいのに、夫が別れてくれない場合があります。

 

理由は様々ですが、主なものとしては、

 

① 子供の親権を母親に奪られてしまうので、子供と別れたくない

② 「離婚」という事が世間体が良くないと思う

③ 離婚で財産を分与するのが惜しい

④ まだ妻に愛情がある

があります。

 

夫が「妻とはまだ別れたくない。やり直したい。」と言っていると、普通は、「愛情が残っているのか」と美しく解釈したくなりますが、現実はそうではないことも多々あります。

 

妻にはほとんど愛情は無いんだけれど、上で言った①~③の理由で別れたくないとゴネて、離婚調停までもつれこむことも珍しくありません。

 

そんな時、別れたい妻は、どのような戦略をとれば良いのでしょうか。

 

まず、暴力不貞があれば、それを追及するのが近道です。

 

暴力については診断書を、不貞については念書をとっておけば、証拠とはなりますので、相当有利です。

 

では、夫にはそんな大きな問題は無いけれども、性格的に合わなくて別れたいという場合はどうでしょうか。

 

通常は、妻より夫の方が収入が多いでしょうから、とりあえず、妻は別居して、「離婚調停」とともに「婚姻費用分担請求調停」を起こすことが必要です。

 

弁護士のセオリーからいくと、この二つの調停は、セットなんですが、意外と当事者で離婚調停を申し立てる妻の方は、「婚姻費用分担請求調停」を起こすことを忘れてたりしますので、注意が必要です。

 

婚姻費用分担請求調停」とは、別居した収入の少ない妻が、夫に対して、生活費を請求する調停です。

 

夫は、「勝手に出て行ったのに何で払う必要があるんだ!」と怒るかもしれませんが、妻が出て行った場合でも請求は可能なんですね。

 

そして、夫が別れたくない理由が②や③の場合には、別居した妻や子のために、毎月生活費を渡すのが馬鹿らしくなって、夫の方も離婚を認める方向へ動くことが期待できます。

 

実際に、「あんな夫から生活費なんてもらうのも嫌だ」と思われている方でも、本当に別れたいのであれば、逆に、生活費を請求すべきなんですね。

 

これに対して、夫の別れたくない理由が、妻や子に愛情がある場合(上の①又は④の場合)には、別れるのに苦労します。

 

夫に非が無くて、愛情があるのに、妻が嫌になって一方的に別れるのは、調停でも裁判でも難しいです。

 

このようなケースでは、むしろ弁護士など入れずに、お互いに良く話し合って協議離婚を進めるか、思い切って別居して、相当期間(4~5年以上)別居を続けるしか無いと思います。

 

今回は、妻の側に立って戦略を考えてみました。

 

夫の方には、「お前は誰の味方なんだ!」と怒られそうなので(笑)、次回は、夫側から「子供を奪われた」と思った時の戦略を考えてみたいと思います。

 

離婚の一般的なご説明についてはこちらをご参照ください。 

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カテゴリー: 離婚のお話

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