内縁の妻の相続権

昨日は、静岡市が全国で最高気温を記録したそうです。

 

確かに、日差しが尋常じゃなかったような気がします。

 

それでも、まだ梅雨明けではないようで、不安定な天気が続くようです。

 

皆様、お体には十分気をつけて、この時期を乗り切って下さい。

 

さて、「内縁の妻

 

民法の勉強をすると良く出てくる言葉です。

 

何となく「愛人」とか「浮気相手」とか思ってしまうかもしれません。

 

でも、実は、「内縁の妻」とは、実際には夫婦と同じ生活をしていながら、籍だけを入れていない男女関係のことを言います。

 

籍を入れない理由は、名字が変わるのが嫌だとか、縛られたくないとか、色々な理由があるとは思います。

 

では、内縁の妻って、相続できるのでしょうか。

 

結論から言うと相続できません

 

いくら、夫婦と同じように何十年も同居して、周りの人たちも夫婦だと思っていたとしても、籍を入れていないと相続はできないんですね。

 

相続という制度は、財産の持ち主が死亡した後に、財産を譲り受けるものなので、明確な基準で分けないといけません。

 

もし、内縁の妻が相続できるとなってしまうと、資産家の男性が亡くなったら、内縁の妻を名乗る女性が何人も出てくる可能性があります。

 

なので、内縁の妻には相続権は認められないんですね。

 

でも、それでは可愛そうな場合もあります。

 

例えば、夫と内縁の妻が借家に住んでいて、夫が亡くなったとします。

 

借家権は相続の対象になりますが、内縁の妻はこれを相続することができません。

 

そうすると、内縁の妻は家を出て行かなければなりません。

 

これでは、あまりに不当です。

 

そこで、最高裁は、夫の子供などの相続人が相続した借家権を、内縁の妻は援用(主張)して、住み続けることができるとしたんですね。

 

そして、法律でも借地借家法で、夫に相続人がいない場合には、内縁の妻が借家権を受け継ぐことができることと定めたんです。

 

個人的には、夫に相続人がいる場合でも、居住用建物について居住実績があれば、内縁の妻に借家権を承継させても良いと思います。

 

でも、相続人ではない内縁の妻を、相続人より優先して借家権を承継させることには、やはり抵抗があったようです。

 

内縁の妻については、以前も一度書いたことがありますが、解釈上、色々と問題になることが多いんですね。

 

相続の一般的なご説明についてはこちらをご参照ください。

 

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カテゴリー: 相続のお話

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