自動車が全損した場合どここまで請求できるの?

先週の土曜日には、8士業の合同相談会がありました。

 

8士業とは、①弁護士、②司法書士、③不動産鑑定士、④弁理士、⑤公認会計士、⑥税理士、⑦社会保険労務士、⑧土地家屋調査士です。

 

私が相談を受けた売掛金の回収について、回収できなかった場合には、確定申告はどうなるか聞かれて、税理士の方に相談に乗ってもらいました。

 

問題が複数の士業の分野にまたがることもあるので、相談される方にとっては、非常に便利な相談会だったと思います。

 

私自身も、他の士業の方々と交流ができて、とても勉強になりました。

 

今後は、行政書士の参加も含めて拡大していく方向のようです。

 

さて、交通事故のお話の続きですが、今回は自動車全損した場合の損害額についてのお話です。

 

交通事故で、自動車のフレームなど重要な部分についても損傷が及んで、修理しても元通りにならない場合があります。

 

このような場合に、損害額はどのように評価するのでしょうか?

 

結論としては、「修理費用>車両時価+買い替え諸費」の場合には、経済的な全損として、買い替え費用が損害と認められます。

 

良く「こんな大きな事故では、修理代の方が、買い替えるより高くつく」ということがありますよね。

 

そのような場合には、損害額は、修理費ではなく、買い替えに必要な車両代金と費用になるということです。

 

ですから、全損の場合、自動車時価がどの程度なのかは、とても大事な問題となります。

 

裁判例では、新車登録から19年経過したフェラーリが事故で大きな損傷を受けた事案があります。

 

このフェラーリを修理すると約319万円かかるので、「新車登録から19年も経過したフェラーリにはそれ程の時価は認められない」と争われた事案です。

 

この事案で、裁判所は

「フェラーリは製造後長期間経過したものであっても、カーマニアの間では憧れのスポーツカーとして相当な価値を有している」

として、このフェラーリに319万円以上の価値を認めました。

 

その結果、修理代の319万円が、加害者の支払う得べき損害として認められたのです。

 

もし、「19年も経過しているフェラーリには150万円程度の価値しかない」とすれば、修理代よりも時価が低いので、損害額は時価の150万円となります。

 

「一度、フェラーリを運転してみたいな」と思う私は、上の裁判所の基準によると、「カーマニア」に分類されるのでしょうか。

 

もっとも、全損なんてなったら、「慰謝料請求だ!」なんて涙目で言ったりするかも?(笑)

 

交通事故の民事事件の基礎知識についてはこちらをご参照ください。

 

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カテゴリー: 交通事故のお話

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