今週も土曜日・日曜日とも仕事でした。
書面作成は、電話のない土日の方が集中できてはかどります。
とはいえ、年明けから休日をとっていないので、来週こそは、1日でも休みをとろうと思っています。
良い仕事をするには、適度な休養も必要ですよね。
さて、今回は、交通事故での事故車になってしまった損害についてのお話です。
交通事故を起こした場合、中古車市場でも「修復歴あり」と記載されてしまうことが多いため、軽い傷の場合と違って修理をしても元通りの価格で売却できまぜん。
では、この修理をしても回復できない損害(これを評価損といいます。)についても、加害者に損害賠償請求できるのでしょうか?
これは交通事故による物損の程度によります。
例えば、バンパーやフェンダー部分がへこんだ程度の事故では、評価損は認めてもらえません。
自動車のフレームが曲がってしまったなど、主要な部分について損傷が生じた時には、事故歴により商品価値の下落が見込まれます。
ですから、このような場合には、修理費用とは別に評価損を請求していくことができます。
評価損は、事故前の自動車の中古車価格と、事故後の中古車価格(事故車としての価格)の差額ということになります。
ただ、これを正確に評価することが難しい場合もあります。
そこで、裁判例では、修理費の2割~3割程度の金額を評価損として認めることも行われています。
この基準も決まったものではなく、事案によっては、修理費の4割~5割を評価損として認めるケースもあります。
新車価格772万5,000円のベンツを新車で買ったところ、新車引渡からわずか20分でぶつけられてしまった事案があります。
これは、ついていないとしか言いようがありません・・・
この事故は、自動車のフレームへの影響もあり得る大きなものだったので、修理費も相当高額になりました。
この事案では、東京地裁は、修理費約337万円の40%にあたる135万円を評価損として認めました。
購入してすぐの事故であり、大きく評価が下がることが見込まれること、損傷が自動車の中枢部に影響するようなものであったことが、考慮されたようです。
買って20分でぶつけられたら、本当は慰謝料も請求したいという気持ちでしょう。
でも、物損の場合には、原則として慰謝料は認められません。
家に自動車が突っ込んできたようなケースで、精神的平穏を害されたとして数十万円の慰謝料を認めている例がいくつかあるくらいです。
交通事故で得をすることは、余りないということですね。
交通事故の民事事件の基礎知識についてはこちらをご参照ください。
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