相続の約束は守られる?

雨が続きますね。

 

時折さしてくる日差しを見ると、久しぶりに太陽を見たなと感じます。

 

さて、今回は相続のお話です。

 

相続では、両親の片方が亡くなったときの相続と、その後の相続とのバランスのトラブルがよく起きます。

 

例えば、父親が亡くなったときに母親が多めに相続したとします。

 

そのとき、「将来の母親の相続のときには、母親の遺産は長男に相続させる」と約束をすることがあります。

 

それと引き換えに、弟や妹がある程度父親から遺産を相続します。

 

母親は自分の子供達が相続で争うと疑うことは余りしないので、その約束を信じます。

 

しかし、父親の相続から何年も経つと、お互いの経済状況や生活も変わってきます。

 

何年も前の約束を守る余裕がなくなったりすることは珍しくありません。

 

こんなときに、長男の立場から言えば、父親の相続のときに2つのことを条件にすべきことになります。

 

1つ目の条件は、母親に「遺産を全て長男に相続させる」という遺言を書いてもらうことです。

遺書を書いている人のイラスト(女性)

でもそれだけだと、母親の相続のときに弟や妹から遺留分を請求される可能性があります。

 

そこで2つ目の条件として、弟や妹に遺留分を放棄してもらいます。

 

この遺留分の放棄は、家庭裁判所で許可を受ける必要があります。

家庭裁判所の建物のイラスト

ただ、母親が生きているうちに、遺言や遺留分のような話をすることは極めてハードルが高いので、実際に、そこまで準備している方は聞いたことがありません。

 

そうすると、長男の立場からは、父親の相続のときに自分が多く相続して、全員の相続税を父親の遺産から出しておくことが大切です。

 

これに対して、弟、妹などの立場からは、母親に多く相続しておいてもらっておけば、母親の相続のときに生活に困っていたら助かることになります。

 

「親の遺産をあてにしない」という考えを全ての人が持てば相続のトラブルは起きません。

 

ただ、相続財産には自分が住んでいる土地や建物があったり、親が子供を平等に扱わない場合もあるので、人の気持ちとしてそうシンプルにはいきませんよね。

 

 

相続の一般的なご説明についてはこちらをご参照ください。

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カテゴリー: 相続のお話

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