ドラマの見方と人権

寒い日が続き、風邪やインフルエンザも流行っているようです。

 

皆様もお体にお気を付けください。

 

先日、夕飯を食べながらふと見ていたドラマが色々と話題になっているようでした。

 

放送中止の要請をしている団体もあり、それを受けてCMを降りている会社もいくつかあるとのこと。

 

私は当初「そもそも、何が論点なんだろう?」と分かりませんでした。

 

どうも、色々とニュースなどを見ていくと、例えば、

 

養護施設に入所している子供の主人公のあだ名を(「赤ちゃんポスト」をもじって)「ポスト」としていることに対する抗議

 

施設の職員が子どもに暴言を吐いたり、ペット扱いするような、実際の養護実態とかけ離れた描写に対する批判

 

があるようです。

 

確かに、私も仕事関係で養護施設に行くこともありますので、テレビをつけた時には、違和感は感じました。

 

「昭和の初期~中期の時代をデフォルメしたものかな?」などと思って見ていたら、現代版のようなので、「これは無いな」と思って、チャンネルを変えました。

 

ただ、だからといって、「放送を中止しろ」「内容を変更しろ!」という意見には私は賛同できません。

 

あくまで「作り物」は「作り物」であり、私が見た限りでも、視聴率を狙った演出に過ぎず、別に差別意識や悪意をもって作られたものではないように見えました。

 

あとは、チャンネルを変えるか、変えないか、個人の好みの問題だと思います。

 

そもそも、自分だけの価値観で「差別や偏見を助長する」「子どもたちを傷つける危険がある」と一方的に判断して、「放送を中止しろ!」「内容を変更しろ!」と他人の表現の自由を奪うのはどうか、と感じます。

 

企業がCMから撤退してしまうと、放送内容の修正や中止にの方向に行ってしまいます。

 

本当にあのドラマを見て、養護施設の子供に「ポスト」というあだ名をつける子供がどれだけいるのでしょうか?

 

もし、いたとした場合、それを注意したり、議論させたりする大人は近くには居ないのでしょうか?

 

ドラマや映画を見て、人の過去のトラウマがフラッシュバックする危険のあるのは、今回が史上初のケースなんでしょうか?

 

そのような危険のあるドラマを、全て事前に修正・排除して、「誰一人傷つく危険の無いドラマ」だけが放映されるのが、私たちが望む世界なのでしょうか?

 

明らかに誰かを傷けたり、偏見をあおったりするものを除いて、「物語は物語、現実とは違う」という区別をつけて、フィクションもののドラマや映画を楽しみたいと私は思います。


カテゴリー: 時事とトピック

コメントは受け付けていません。