教師の酒気帯び運転で退職金はもらえるの?

静岡は今日も晴天です。

 

暑い一日になりそうです。

 

今日は、飲酒運転をし教頭先生を懲戒解雇した場合、退職金は払わなくても良いのかどうかについて考えてみました。

 

Xさんは、中学校の教師として27年間勤務して教頭先生となりました。

 

Xさんは妻とうまくいっておらず、妻が理由も明らかにしないで家に帰らない日が続いていたため、妻の浮気を疑っていました。

 

Xさんは土曜日で休日だったたこともあり、妻の浮気の問題から気を紛らわせうと、に自宅でウィスキーを飲み始めました。

 

その後、帰らない妻をさがそうと思い立ったXさんは、ウィスキーの瓶を持って自動車を運転し、走行中の車内でもウィスキーを飲んでいました。

 

Xさんは、迷いながら運転しているうちに、吸っていたタバコの火を消そうとして前方の注意が不十分となって、赤信号でとまっていた自動車に衝突しました。

 

この事故では、幸いにも負傷者は出ませんでした。

 

これを受けて、京都市教育委員会は、Xさんを懲戒免職にするとともに、一般の退職手当の全部を支給しないという退職金制限処分を行いました。

 

Xさんは、京都市(Y)を被告として、退職金全部不支給は違法だと争いました。

 

それでは、京都市教育委員会が行った退職金制限処分は、裁量の範囲内として適法なのでしょうか。

 

京都地裁の裁判では、この処分は違法であり、退職手当は支給されるべきであるとしました。

 

この裁判では、退職手当の全部不支給が認められるのは、退職者の永年の勤続の功をすべて抹消してしまうほどの重大な背信行為がある場合に限られるとしました。

 

そして、Xの行った行為は教職であり管理職である立場等から職務に与える影響は大きいとした上で、次の事情を重視しました。

 

つまり、

① Xさんは27年間教員として勤務し、熱心に教育に携わり、表彰も数回されており、過去に何の処分歴もないこと

② 酒酔い運転ではなく、酒気帯び運転にとどまっているものであること

③ 酒気帯び運転は、私生活上のものであり職務行為とは直接関係ないものであること

④ 事故の結果も物損でとどまり被害者と示談をして被害弁償をおこなっていること

などを考慮すると、Xさんの永年の功をすべて抹消するほどの事情は無いと判断したのです。

 

もっとも、被告である京都市は、控訴をしていますので、今後、この裁判例が維持されるのか、変更されるのか注意が必要です。

 

飲酒運転に対する職場や社会の目は年々厳しくなりますので、皆さんも飲酒運転は絶対にしないようにしましょう。

 

労働問題のブログ過去記事についてはこちらをご参照ください。

 

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カテゴリー: 雇用と労働のお話

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