離婚したいときには別居した方が有利?

静岡は今日は暖かくて良い天気です。

 

このまま春になりそうな気分になってしまいますが、最近の気候だと油断は禁物でしょうね。

 

今回は離婚についてお話してみたいと思います。

 

離婚のご相談を受けていると離婚したいんですが、別居した方が有利でしょうか?」と質問されることが結構あります。

 

このような時、夫と妻とでは、私は違う回答をすることにしています(なお、妻は専業主婦かパート程度の収入の場合を前提としています。)。

 

妻の方には、「早めに別居した方が離婚につながりやすいですが、生活は苦しくなるかもしれません。」と言います。

 

夫の方には、「別居は良ですが、生活費婚姻費用)をしっかり送らないと離婚の請求をした時、かえって不利になることもあります。」と言います。

 

夫と妻との場合で違うのは、夫婦生活がどちらの収入を中心にしていたのかによるんです。

 

多くのケースでは、夫の収入を中心に夫婦生活がなりたっています。

 

そうすると、別居した場合、妻の方は、夫から生活費をもらわないと生活していけません。

 

この生活費のことを「婚姻費用」と言います。

 

でも、婚姻費用だけで、妻が別居生活を維持できる程の額にはならないんです。

 

例えば、妻が幼稚園と小学生の子共二人を連れて別居したとします。

 

夫の年収600万円(総支払額)、妻の年収100万円程度だったとします。

 

この場合の裁判所での婚姻費用の基準額は、毎月12万円程度です。

 

この金額だけでは、二人の子どもを抱えて生活を維持できませんよね。

 

当然、自分で働いて、相当額の収入を得なければなりません。

 

別居してしまうと、同居していた時よりも、夫の収入に頼れなくなってしまうんですね。

 

逆に夫の立場だと、「別居した妻に生活費(婚姻費用)を払わなければならないのは、バカらしい・・・」と思うかもしれません。

 

でも、ここで婚姻費用を払わないと、収入に乏しい妻を見捨てたことになります。

 

これは、離婚事由にある「悪意の遺棄あくいのいき)」にあたってしまう可能性があるんです。

 

もし夫が「悪意の遺棄」をしたということになると、婚姻の破綻について責任のある配偶者(これを「有責配偶者ゆうせきはいぐうしゃ)」と言います。)に当たります。

 

有責配偶者から婚姻の破綻離婚の請求をする場合、裁判例では中々離婚が認められにくいという傾向があるんです。

 

自分から婚姻関係の破綻を作っておいて、離婚を請求するのは信義に反するということなんでしょうね。

 

ですから、夫は離婚したければ、別居した妻に相当額の生活費(婚姻費用)を払い続けた方が良いんです。

 

「もう一緒に居られない!」

 

そう思った時には、今後の生活について十分考えてから別居した方が良いようです。

 

離婚の一般的なご説明についてはこちらをご参照ください。

 

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カテゴリー: 離婚のお話

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