証明責任は誰にある?

台風が来ているようで、静岡でも昨日から、安定しない天気です。

 

東海地方は今日の夕方から夜にかけて、雨・風が強くなるようです。

 

台風の影響を受ける各地の皆様、十分お気をつけください。

 

さて、今回は証明責任という言葉について考えてみましょう。

 

色々な場面で問題になってくる言葉ですが、正確に定義すると、ちょっとわかりにくいです。

 

証明責任とは、「ある主要事実が真偽不明である場合に、その事実を要件とする自己に有利な法律効果が認められない一方当事者の不利益ないし危険」です。

 

わかりにくいですね~

 

ちょっと大ざっぱですが、分かりやすく説明したいと思います。

 

裁判所が判決を下すには、争いのある事実について、その事実が有るのか、無いのか確定しなければなりません。

 

でも、裁判は、「当事者が証拠を提出して主張をしていく」という形になっているので、当事者の提出する証拠が不十分だったりすると、事実を確定できないことがあります。

 

しかし、そんな場合にも、私たち国民には裁判を受ける権利がありますから、裁判所(裁判官)は、「よく分かりません」という理由で裁判を拒否することができません

 

そこで、あらかじめ、訴訟の当事者(原告・被告)に、証明が必要な事実について、証明をする責任を課します。

 

例えば、お金を貸した人が、金銭の請求をする場合には、貸した方(原告)には、①

金銭の交付があったこと、②返還約束があったことを証明する責任を課すのです。

 

そして、例えば、借用書や念書、銀行振込での貸付など、金銭を渡したこと(①)が証明できないと、お金を貸した人(原告)の主張する事実が認められないことになるんですね。

 

つまり、貸した人(原告)が、借りた人(被告)にお金を交付した事実が認められないので、金銭の返還請求も認められません。

 

なので、貸付の事実があったかどうか不明(真偽不明)ということで、貸した人(原告)が負けてしまうんですね。

 

このように、証明責任という制度で、裁判所は、真偽不明の事実があるときでも判決をくだせるようにしているんです。

 

この証明責任という言葉は、今後も出てくるので、イメージだけでも持って頂けるとうれしいです。

 

「裁判手続で知っておきたいこと」の過去記事はこちらへどうぞ。 

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カテゴリー: 裁判手続きで知っておきたいこと

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