あおり運転は犯罪になる?

新型コロナウィルスの影響で、公共交通機関を避けて自動車で移動される方もいるのではないでしょうか。

 

実は、道路交通法が改正されて、令和2(2020)年6月30日から、危険なあおり運転「妨害運転罪」として処罰することとなりました。

 

これまでは、あおり運転というだけで処罰することはできないため、刑法の暴行罪などで処罰するしかありませんでした。

 

暴行罪というと、直接、暴力を振るうというイメージがあると思います。

 

確かに、あおり運転をしただけでは、被害者に怖い思いはさせていても、直接に物理的な力が加えられたわけではありません。

 

でも、過去の裁判例では、「有形力を行使する」ことを広く暴行罪に入れてきました。

 

例えば、被害者を怖がらせようと狭い部屋で日本刀で振り回したり、石を投げつけたりする行為を暴行罪として処罰してきました。

 

でも、お互いに自動車に乗っている間では、狭い部屋で日本刀を振り回されるような有形力の行使と同じといえるか疑問があります。

 

人を処罰する法律は、それだけ重大な結果を生じるので、その条文は明確でないといけません(罪刑法定主義)。

 

そこから考えると、暴行罪であおり運転を処罰することは、余り好ましいものではありません。

 

そこで、道路交通法を改正して、妨害運転罪を新設し、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金という罰則を定めたのです。

 

ただ、あおり運転とか妨害運転とか言っても、それは被害者の感じ方によって変わってしまう曖昧なものになります。

 

そのため、できるだけ明確にするために、10個の運転に分けて規定しています(道路交通法17条の2の2、11号)。

 

以下の行為を他の自動車の通行を妨害する目的でした場合です。

1 対向車線など車線をはみだして運転を妨害する行為

2 急ブレーキをかける行為

3 車間距離を極端に短く詰める行為

4 急に進路変更を行う行為

5 危険な方法で追い越しをする行為

6 激しいパッシングをしつこくする行為

7 大きな音でしつこくクラクションを鳴らし続ける行為

8 幅寄せをしたり自動車を左右に蛇行させる行為

9 高速道路で低い速度で走行する行為

10 高速道路で停車したり、駐車したりする行為

 

いずれも危険な行為ですが、上の9番や10番のように、周囲の自動車が時速100km程度で走っている中で、低速走行や停車で前方をふさぐことは生死に直結する危険な行為だと思います。

 

その結果、人を死傷させれば、更に重い犯罪として処罰されることになります。

 

あおり運転にあわないためには、ドライブレコーダーをつけていることが周囲に分かるように、車の後ろにステッカーを貼るなどして予防するのも良いかもしれませんね。

 

今日も、安全運転で行きましょう。

 

交通事故の民事事件の基礎知識についてはこちらをご参照ください。

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カテゴリー: 交通事故のお話

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