自筆の遺言書が書きやすくなります~相続法改正

最近、静岡では雨が多いのですが、他の地域ではいかがでしょう?

 

本来の静岡の天気だと、9月~10月の頃は毎日秋晴れの日が続いていたので、ちょっと残念な気持ちです。

 

「まさか、このまま冬に入ってしまうのかな?」と心配していたら、昨日の天気ニュースでは、また暑くなるということでした。

 

喜んで良いのか微妙ですが・・・

 

さて、改正された相続の法律が皆さんにも適用される日(施行日)がいよいよ近づいてきました。

 

一番近いものは、自筆の遺言を書きやすくするための改正で、これは来年の1月13日(約4ヶ月後)に迫っています。

 

では、どのように変わるのでしょうか?

 

現在は、自筆つまり手書きで遺言書を書く場合には、その全ての文章を手書きにする必要がありました。

 

遺言書の本文、例えば「遺産のうち、○○の土地建物は相続人Aに、預貯金は全て相続人Bに相続させる」というようなところは、遺言をする人が手書きで書くべきことは理解出来ます。

 

ところが、現在の法律では、本文だけでなく、遺産を特定するためにまとめたもの(財産目録)まで手書きで書く必要があります。

 

遺産の種類が多かったり、遺言をする人が何人かの相続人に遺産を別々に分けて渡したいときには非常にやっかいなことになります。

 

例えば、土地がある場合には、その場所、地目(宅地・農地などの区別)、面積などを書かなければなりません。

 

預貯金であれば、金融機関と支店名だけでなく、普通預金か定期預金などの区別や口座番号を書かなければなりません。

 

パソコンが発達していなかった時代は良かったのでしょうが、今では複雑な財産をまとめるには、ワードかエクセルを使う方が圧倒的に便利です。

パソコンを使う農家の男性のイラスト<designed by いらすとや>

パソコンに詳しくなければ、土地なら法務局で登記事項証明書をもらって、預貯金ならそれをコピーして特定できれば便利です。

 

そこで、来年1月13日以降に書く遺言では、本文は全部自筆で書かなければなりませんが、財産目録はパソコンで作ったり、登記事項証明書や通帳のコピーをつけることで対応ができるようになります。

 

但し、筆で書いていない財産目録やコピーには、遺言をする人が、1枚1枚全てに、署名して印鑑を押すことが必要です。

書類に判子を押している人のイラスト(男性)<designed by いらすとや>

この印鑑は実印でなくても構わないのは、現在と一緒です。

 

更に、法制審議会の解釈では、この財産目録などで押す印鑑は、本文の印鑑と一緒でなくても構わないとされています。

 

もっとも、裁判で信用性が低くなる可能性もあるので、同じ印鑑で(できれば実印で)押すのが安全だとは思います。

 

この改正で。自筆の遺言がだいぶ書きやすくなったとは思います。

 

来年の1月12日までに遺言を書くと現時点での厳しい規定が適用されますが、翌日13日以降の日付で遺言が書かれていると、書きやすい新法が適用されます。

 

今、自筆の遺言を書こうとしている方は、緊急性がない限り、来年の1月13日以降に延ばしたり、書きかえたりすることも考えたらいかがでしょうか。

 

ただ、遺言書の本文については変わらず厳しい規定が適用されますので、うっかりと勘違いしないことが大切でしょう。

 

 

相続の一般的なご説明についてはこちらをご参照ください。

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カテゴリー: 相続のお話

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