ドロボウ弁護士?

台風が来ていますね。

 

静岡市もその余波を受けて、土砂降りになったり、止んだりで、天気が読めません。

 

昨日も傘なしで出かけて、帰ろうとして唖然としました。 

 

土砂降りが少し弱くなるのを待って、走ってもどりました。

 

同じように困った方も多かったのではないでしょうか? 

 

さて、ヤミ金から借りる人は、最盛期に比べると大分減りましたが、それでもここ数年は横ばいでそれなりの人が被害にあっているようです。

 

ヤミ金の仕事を喜んでやる弁護士は、ほとんど居ないでしょう(私は依頼されればやむを得ず受けますが)。

 

別に「怖い」わけではないのですが、「相手をするのが面倒くさい」のです。

 

ヤミ金の場合、そもそも犯罪行為ですから、相手も住所も教えないし、名前も偽名です。 

 

分かっているのは、飛ばしの携帯電話番号と返済先口座(全く無関係の第三者名義)だけです。 

 

ですから、弁護士が引き受けたという「受任通知」も書面ではなく、一々電話しなければならないのです。 

 

大抵、ヤミ金から借りてしまった方は1件ではなく、3~5件程度あることが多いので、その件数だけ電話をしなければなりません。

 

そこで、極めて不毛なやりとりが、判で押したように繰り返されます。 

 

「弁護士の谷川と言いますが、〇〇さんの債務整理について受任を受けました。」

 

「あ~弁護士だ?あんた偽物だろ?」 

 

「事務所の住所と事務所名、電話番号を言えよ」 

 

大体、バックに暴力団がいるとはいえ、いつでも切り捨てられるトカゲの尻尾ですから、若い相手が多いです。 

 

私は気が長い方ですが、自分の名前も偽名で住所も教えない人間から、そんな言い方で言われると、さすがに「答えたくない」と思ってしまいます。

 

でも、後日、刑事事件の証拠となるかもしれないので、相手に黙って会話を録音しています。 

 

ですから、私の方はあくまで品の良い弁護士を装わなければなりません(「本当は品が悪いのか?」という疑問には「ノーコメント」です。)。

 

そこで、丁寧に事務所名・住所・相手の携帯に表示されているはずの電話番号を言います。

 

その後もおきまりのセリフです。

 

「それで、いくら返して和解したいんだ?あと〇〇万円残ってんだ。」

 

もちろん、その金額には全く根拠のないものです。

 

この場合、先日、法律相談で、相談者の方から、私と全く違う対応をしている2つの法律事務所のことを聞いたのでビックリしました。

 

いずれも、全国規模で展開している法律事務所で、1件は本部が東京、もう1件は本部が大阪です。

 

相手の言う金額に、更に、返済までの利息少しを上乗せして返すという和解をしていたのです。 

 

さすがに唖然としてしまいました。

 

「和解」と言っても、相手の住所も本当の名前も分かりませんから、当然、書面など作れません。

 

それで、相手の言うがままの金額を振り込むという行為は、法律が定める上限利率を超えて依頼者に返済させることになりかねません。

 

確かに、依頼者から強く頼まれれば、最初に振り込まれた金額から、既に支払った金額を差し引いた額を返済して、勤務先への連絡を止めさせるという方法はあり得ます。

 

その時にも、「お金を戻したからといって、請求が止まるとは限りませんよ」と注意はします。

 

しかし、相手の態度から暴力団的な恫喝が感じられるケースでは、 

 

「元金も含めて1円も返しません。」 

 

と言います(民法と裁判例から適法です)。 

 

つまり、依頼者の口座に5万円が入金されており、依頼者は1万円しかまだ返済していなくても、残額の4万円も返さないと言う訳です。

 

当然、ヤミ金の担当者は怒り狂います。 

 

その時、良く言われるのが 

 

「このドロボウ弁護士!」

 

です。 

 

確かに、借りた元金までもらってしまうのですから、その痛手は大きいでしょう。

 

しかし、書面も交わさずに和解などできるはずがありませんし、貸金業法に定める登録もせず、年間1,000%を超える利息をとっている犯罪者にドロボウ呼ばわれされても全く気になりません。

 

そして、また良く言われるのが 

 

「先生(おまえ)、ピザ(寿司)30人前、出前頼んでやろうか?」

 

「来ちゃったら断るの~?弁護士先生とも有ろう人が?」 

 

などというセリフです。

 

余りにおきまりの時代劇のようなセリフなので、うんざりしながら 

 

「要りません」

 

と短く答えて電話を切ります。

 

この前は、ピザやお寿司でなくて、

 

「勉強ばっかやってきたんだろ?たまってるだろうからデリヘル5人くらい事務所に呼んでやろうか?」

 

という斬新なものがあり、ちょっと面白かったです。 

 

下品で申し訳ありません。 

 

つい 

 

「そういうのには困っていないので、要りません」

 

と男のプライドが出てしまいました(笑) 

 

とにかく、ヤミ金は判で押したように同じ事を言ってきます。 

 

最近では、受任の電話をかける前に、ヤミ金の振込先の口座の凍結をしてしまい、

 

「振り込めないんだけど、新しい口座を教えてくれる?」

 

と言います。 

 

ヤミ金の担当者がベテランだと教えようとしませんが、まだ経験の浅い若者だと新しい口座を教えてくれます。 

 

すると、電話を切った瞬間に、その銀行に凍結依頼を出すという寸法です。

 

怒りの電話がかかってきたら(銀行には「クレームがあったら私の事務所を教えて良いです」と伝えてあります)、とぼけて 

 

「いや、凍結したのは他の弁護士じゃないですか?とりあえず、新しい口座を教えて下さい。」 

 

と言います。 

 

さすがに、ここで教えるヤミ金業者はいません。

 

今は、第三者名義の口座を買うのにもお金がかかり、ヤミ金にとってせっかく買った口座を凍結されるのは、相当痛手だからです。 

 

結局、彼等の目的は、「お金」なので、そこに焦点をあてると、非常に単純な行動原理で動いており、先が読みやすいのです。

 

その後は、携帯電話の会社に、録音した内容をCDに焼いたものを添付して、「違法行為に貴社の携帯電話が利用されている」旨、警告します。

 

ある方法で、携帯電話のキャリアは、ある程度推測がつくんですね。

 

飛ばしの携帯を止められるのも、経済的に相当痛手ですから、やればやるほどマイナスが増えていくということは、ヤミ金の担当者にも分かります。 

 

もちろん、その間、短くて1週間、長くて1~2ヵ月の間は、依頼者の親族や勤務先に理解を求めておく必要があります。 

 

最後に、県警の担当部署に情報提供して終わりです。

 

こうしておけば、依頼者には「面倒くさい弁護士がついている債務者」という情報がつくので、ヤミ金の中で貸す価値の無い人間と判断されます。

 

短い期間だけ戦えば、依頼者が次の被害を被ることを防げるのです。

 

これに対して、上に書いてある全国規模の事務所のように、安易に元金全部を返す和解や利息まで付して返すという和解をしてしまうと、ヤミ金は既に取得した違法金利分トクをしています。

 

ですから、依頼者については、「まだ搾り取れる人間」という付加価値がついた情報としてヤミ金同士で情報が出回ってしまいます。 

 

情報が出回り、今度は他のヤミ金業者から「押し貸し」(勝手に口座にお金が振り込まれ、莫大な利息を要求されること)がされかねません。

 

まともな仕事をしている弁護士なら、「ヤミ金業者と結託しているのと同じだ」という印象を持つのではないでしょうか? 

 

もっとも、大切なのは、弁護士が上手く仕事をすることではなく、名前も知らないような相手からからは絶対にお金を借りないことでしょう。

 

なお、最近、新たな「ヤミ金対策」を発案しましたが、ブログで書くとヤミ金に知られてしまうので、メールマガジンでお届けしようと思います。

 

借金問題ご解決方法についてはこちらをご参照ください。

 

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カテゴリー: 借金のお話

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