関越自動車道でのバス事故

G.W.皆さん、いかがお過ごしでしょうか。

 

私は、プライベート4割仕事6割くらいの日々です。

 

今回は、大きな事故が起きたので、早めに火曜日に更新しました。

 

4月29日(日)午前4時40分頃、関越自動車道で高速バスが、時速約90kmで道路左側のガードレールに衝突し、そのまま防音壁に突っ込みました。

 

この事故で、7人が死亡14人が重傷を負いました。

 

死者はまだ増える可能性もあるそうです。

 

痛ましい事故でした。

 

この事故の直接の原因は、運転手の居眠りです。

 

高速バスの運転手としては、決してしてはいけないことです。

 

衝突の10分ほど前からバスが左右にふらついていたということですから、運転手は、衝突の危険性は予測できたはずです。

 

運転手としては、本当に危ないと思えば、路側帯に緊急停車してでも乗客の安全を図るべきでしょう。

 

この運転手に自動車運転過失致死傷罪が成立することには問題はないと思います。

 

実は、平成19年5月以前は、自動車事故による人の死傷は、業務上過失致死傷罪が適用されていました。

 

しかし、自動車の事故では、今回のように多数の死傷者が出てしまったり、飲酒運転による死亡事故などの悪質なケースが後を絶ちません。

 

このような事案についても、通常の業務上過失致死傷罪で処罰することについては、国民の処罰感情にも合いません。

 

そこで、業務上過失致死傷罪の条文を改正して、自動車運転過失致死傷罪という罪を、平成19年5月に作ったんです(施行は同年6月)。

 

このような経緯から、業務上過失致死傷罪の上限が「5年以下の懲役」なのに対して、自動車運転過失致死傷罪の上限は「7年以下の懲役」となっています。

 

では、この運転手を雇っていた会社の経営者運転を監督する立場の人は、どこまで刑事責任を負うのでしょうか。

 

前回のヒグマの場合と類似して、経営者・監督者が管理者として業務上の安全配慮を欠いていなかったかが問題となります。

 

つまり経営者・監督者について、業務上過失致死傷罪が成立するかが問題となります。

 

運転手の交代要員は無く、一人で運転していたということで、この点では万全の体制ではなかったと言えます。

 

しかし、運転手は前日の28日、東京ディズニーリゾートから金沢のホテルに到着してからホテルに8時間半滞在しています。

 

経営者としては、有効な睡眠時間を取れる程度の運行スケジュールを組んでいたとも言えます。

 

また、運航中も2時間おきに15分~30分の休憩を取るように会社から運転手には指示が出ていたとのことです。

 

これらの事実が真実であれば、会社の経営者や運転監督者について、本件事故の原因となった管理義務違反までは追及できないと思います。

 

ですから、現時点での情報からだけでは、業務上過失致死傷罪で、経営者や運転監督者を処罰するのは難しそうです。

 

なお、民事上の損害賠償責任は、運転手を雇っている会社も負うことになるでしょうし、保険会社から賠償金は支払われるでしょう。

 

でも、失った命や体や心の傷は取り返しがつきません。

 

今後、このような悲惨な事故が起こらないように、運転手だけでなく、運行会社、旅行代理店、国、自動車メーカーなど全体で考えてもらいたいものです。


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