このコーナーについて

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大学に入って、教授から読むようにと渡された過去の裁判の原文を見て、1秒で読む気をなくしました。

その理由は

1 段落分けなどの工夫の無い、文字で一杯の書面だったこと

2 難しい専門用語や普段使わない漢字が、ずらずらと並んでいたこと

3 登場人物が、X1・X2・Y1・Y2などと記載され、登場人物や話の流れがイメージできなかったこと

4 単純に内容が面白くないと感じたこと

などです。

よほどの変わり者でない限り、裁判例の原文を始めて読んでワクワクする人はいないでしょう。

しかし、裁判例は、日本に住む私たちがトラブルに直面した時には、それを解決する基準として法律の次に重要なものとして使われます。

そして、法律を学んで、弁護士実務を行うにつれて、見えてきたことがあります。

難解さや、面白くない点は、正確に事実を伝えるためや、立証責任など様々な法律のルールを法律実務家が共通認識を持てるように工夫するための副作用だということです。

医師の過去の手術例の本、建築家向けの過去の施工例の本の内容が、難しくて、つまらなく感じるのと同じだと思います。

もっとも、裁判例の大きな特徴として、あらゆる裁判例の背後には、人の生活全てにわたっての人間ドラマがあるということが言えます。

テレビドラマや小説に、法廷もの、弁護士もの、検察官もの、裁判に至るまでの人間模様を描いたサスペンスものなどが多いのも、裁判例そのものにドラマ性があるからだと思います。

とすると、「裁判例を素材にして、専門家が参考にするという点を全て捨てて、ただ、裁判例のポイントだけを伝える小説を書いたら、皆さんに楽しみながら法律実務感覚を持っていただけるのではないか」と思いつきました。

もともと、小説家になりたいという夢を持っていた私です。

「これは、一石二鳥だ!」

ということで、「ものがたり裁判」というコーナーを作ることにしました。

文章中、法的にポイントとなっている所を、オレンジ色の太字にしてあります。

これかを読んでいただくことで、これから弁護士に相談に行こうか悩んでいる方や、一般教養として裁判実務の感覚を持ってみたいという方のお役にたてるかもしれません。

物語の中では、わかりやすいように固有名詞を入れますが、これは、各種ホームページや名前辞典など全く無関係のところを参考に使っています。

実際の紛争の当事者や、私の事務所へのご相談者・ご依頼者とは一切関係ありません。

ストーリーの味付けは、私が今まで読んだ色々な作家の構成をまねしたりして、皆様にあきられないように、色々と工夫していきたいと思っています。

ヘタクソな文章が、より皆様に面白く、かつ伝わる文章となるよう、精一杯努力していきます。

良かったら、参考にしていただいたり、お楽しみいただければ、これ以上うれしいことはありません。

2015年3月9日
著者 谷川樹史

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