精神的な傷(慰謝料 いしゃりょう)の額はどう決めるの?|静岡市の弁護士 花みずき法律事務所

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離婚問題の基礎知識

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精神的な傷(慰謝料 いしゃりょう)の額はどう決めるの?

慰謝料(いしゃりょう)について、教えてください。

弁護士からのアドバイス

離婚になると、多くの場合慰謝料が問題となります。

特に、妻から夫への慰謝料請求が主張されることが多いようです。

精神的な痛手を慰謝するものであるので、「傷ついた!」と妻が感じれば慰謝料を請求したくなるのは気持ちはわかります。

もっとも、性格の不一致、宗教観の違い、親族(嫁姑など)との折合いが悪いとかいう場合についてはどちらに責任があるかという判断がむずかしいです。

「精神的に傷ついた」ことは現実であり、一方にその責任があるとしても、そのきっかけをつくったのは相手の態度にも原因があるのが普通なので、必ず慰謝料が発生するとは限りません。

例えば、不倫行為、暴力などが慰謝料が認められる典型的な場面です。

言葉の暴力も著しい場合には慰謝料の対象になりますが、裁判になると「言った。」「言わない。」の争いになって、事実関係や因果関係の証明が難しくなります。

慰謝料の額には特に法律で決まりなどは無いため、夫婦の話し合いで決めることも可能です。

夫婦で決められない場合には、離婚の調停や裁判の手続で決定することになります。

調停は話し合いの場なので、合意ができなければ慰謝料の額は決まりません。

最終的には、裁判で決めていくことになりますが、その場合には次の要素等を考慮して慰謝料の額を判断していきます。

  1. 離婚の原因がどちらにあったのか
    →加害者に責任があれば慰謝料は増える

     
  2. その原因の違法性(いほうせい)や有責性(悪さ)の程度
    →違法性・有責性が高ければ慰謝料は増える

     
  3. 被害者の精神的苦痛の程度
    →苦痛が大きい事情があれば慰謝料は増える

     
  4. 結婚期間の長さ
    →期間が長ければ慰謝料は増える

     
  5. 未成熟の子の存在
    →離婚して被害者が未成熟子を養育する場合には慰謝料は増える

     
  6. 加害者の収入・社会的地位
    →収入や社会的地位が高ければ慰謝料は増える

     
  7. 財産分与の額
    →多ければ慰謝料は減る

 

判決になった場合、裁判所は、上に書いた事情やそれぞれの事案に特殊な事情を総合的に考慮していくため、単純に足し算で慰謝料の額が算定できるという訳ではありません。

例えば、妻から夫への慰謝料請求で、26年間の結婚生活中に夫が妻に程度がとても重い暴行・虐待(ぎゃくたい)を続けてきた場合に500万円の慰謝料が認められた例があります。

他方で、同居期間が4ヶ月に過ぎず、結婚生活がこわれた主な原因は夫にあるが、責任の一部が妻にもある場合に慰謝料30万円という例もあります。

このように慰謝料の額は、事案によって異なるため、一律にいくらとは言えません。

この請求には時効(じこう)による期間の制限があるので、離婚から3年以内にする必要があります。

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